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住宅・リフォームの仕事に役立つ知識と情報

2019年9月12日、住生活基本計画(全国計画)の見直しが始まる

住政策基本計画1_コピー

「住生活基本計画(全国計画)」は、「住生活基本法」(平成18年法律第61号)に基づいて、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画として策定されているものです。この住生活基本計画は、今後の社会経済情勢の変化や施策の効果によって、5年ごとに見直し、変更を行うことになっています。
 

 2019912日、住生活基本計画の見直し会議、開始


現在の「住生活基本計画(全国計画)」は、2016年度~2027年度までの10年間の住宅政策の基本となる計画を定めています。

2019912日、国土交通省「社会資本整備審議会住宅宅地分科会」において、2016年から5年後の2021年の住生活基本法の変更を目指して、見直しが始まりました。20206月には中間とりまとめを行い、2021年2月に案をまとめ、3月に閣議決定が行われて、令和時代にふさわしい「新住生活基本計画(全国計画)」が制定される予定です。

 

既存住宅、コンパクトシティ、AIIoTが見直しの論点に

 住生活基本計画の見直しに当たっては、社会情勢の変化等を踏まえた見直し案としての総論と、現行の住生活基本計画の「居住者からの視点」「住宅ストックからの視点」「産業・地域からの視点」という3つの視点から、産業と地域を分けて、「産業・新技術からの視点」「まちづくりからの視点」の4つの論点について示しています。

住宅地風景_コピー

★この中の見直しの論点をピックアップします 

【既存ストック】
世帯数の減少、既存ストック数の増加の状況の中で、2018年度の新設住宅着工戸数は 94.2万戸で、既存住宅流通シェアは14.5%でした。新築市場から既存住宅活用の市場への転換が遅れている状況です。

既存住宅流通量のうち、 一戸建・長屋建は 9.9万戸(1989年)から8.1万戸(2018年)に減少し、共同建は 4.5万戸(1989年)→7.9万戸(2018年)に増加している状況ですが、以前としてストック住宅の活用が進まない状態です。仕事_コピー

5,210万戸の人が住んでいる既存住宅ストックのうち、耐震性のない住宅 は約900万戸、省エネ・バリフリのいずれも満たさない住宅は約2,200万戸あり、既存ストック住宅の「耐震」「省エネ」「バリアフリー」性能確保の対策をどうするのかが、既存住宅の流通市場への転換の問題となり、見直しの論点となっています。

また、空き家ですが、賃貸・売却用等以外の「その他空き家」数は182万戸(1998年)→349万戸(2018年)に増加してお、今後の空き家対策の問題が論じられています。

既存住宅の流通市場への転換のためにも、消費者のニーズに対応する住宅市場や適正な住宅ストックの管理に対して見直しが必要になっています。

 AIIoT、自動運転、MaaSMobility as a Service

働き方が変化し、勤務先のテレワーク制度等の導入割合は、14.2%(2016年)→19.8%(2018年)に増加しています。

また2020年までに、限定地域での無人自動運転移動サービスを実現する予定です。

このようなAIIoT、自動運転、MaaSMobility as a Service)などの新技術の進展により、住宅や住宅産業への影響や、生活向上のための新しい住関連サービスについても見直しの論点となっています。

【コンパクトシティ、災害に対する住宅政策】 

コンパクトシティ、都市のスポンジ化対策としてのまちづくり政策と住宅政策の連携への取り組みや、令和元年台風19号による被害で住家の全半壊等 7,231棟、住家浸水 66,938棟(1025730分現在)の発生、豪雨、地震などの災害の激甚化・多頻度化についても論点が挙げられています。

まちづくり政策、住宅政策や政策分野においてどのように対応するのか、取り組むのかが見直されます。

 

見直しの総論と各論点の概要
以下に、今後検討される見直し論点を参考までに記載いたします

 見直しの総論は、大きく3点】

■住生活を巡る状況の変化家図面_コピー

75歳以上の単独世帯数の急激な増加予測

・共働き世帯数の増加

・住宅の購入価格の年収倍率が分譲マンションは上昇傾向、分譲戸建住宅は下降傾向

■現在の住宅市場は適切に機能しているか?

・既存住宅流通シェア147%(2013年)で遅れている

・住宅確保要配慮者の入居に対する賃貸人の意識は、高齢者に対して約8割、外国人に対して約7割が拒否感高齢者や外国人に対して約7割が拒否

■住まい手のニーズの変化や新しい動き

・土地・建物を両方とも所有したい人の割合が減少

・住まい選びに「仕事や通勤の利便性」を重視する人の増加

・二居住拠点(デュアルライフ)の開始者の増加

 

現状の住宅に関連する社会情勢の変化が、この3点でも把握できます。
 

見直しの各論点】

■「居住者からの視点」

・各々のライフステージに応じて、子育て世帯のニーズや子供の目線に立ってどのような住宅が求められるのか。

・高齢者の安心・健康に暮らせる住まい実現のため、医療・福祉・介護との連携も含め、どのような取組が求められるか。人物_コピー

・外国人も含めた住宅確保要配慮者の居住ニーズにどのように対応していくか

・サブスクリプション型居住サービス、シェアリングエコノミーなど新たな「住まう」形態をどのように考えるか。

■「住宅ストックからの視点」

・「耐震」「省エネ」「バリアフリー」性能の確保に向けて、今後どのような対策が求められ、他にどのような性能が考えられるか。

・新築住宅中心の市場から既存住宅活用型市場への転換が遅れている要因や対策をどうするか。

・住宅ストックに占める空き家の増加要因や地域的な特徴等をどのように捉え、どのような空き家対策を講じていくべきか。

・マンションの老朽化、居住者の高齢化、マンション管理の適正化や再生にどのように取り組むべきか。

「産業・地域からの視点」

・将来的な住宅産業の担い手不足から、外国人材も含めた担い手の確保や、生産性向上にどのように取り組むべきか。

・住宅産業の海外展開や住宅ストックビジネスなど住生活産業の成長をどのように促進するか。

・情報化・デジタル化が進む中、消費者が安心して住宅を選択できるようにするためにはどのような取組が求められるか。

AIIoT、自動運転、MaaSMobility as a Service)などの影響と住生活の向上につなげるためにどのような新住生活関連サービスが求められるか。

■「まちづくりからの視点」エコ家図面_コピー

・コンパクトシティ、都市のスポンジ化対策等、どのように取り組むべきか。

・地域全体の高齢化、生活利便機能の低下等により郊外の住宅団地の再生に向けて、どのような対策を講じていくべきか。

・災害の激甚化・多頻度化でどのような対応(平時/ 災害発生時、ハード面/ソフト面)が求められるか。

今後、スケジュールに従って見直しの検討会が進められます。
住宅・リフォームの仕事をするものには、基本の計画ですので、途中の検討会の報告も目が離せない所です。
会議の資料については、国土交通省のホームページ(住宅宅地分科会の資料)で見ることができます。


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2019年09月16日 20:52

改正建築基準法施行 準防火地域の建蔽率緩和

月島もんじゃストリート_コピー

【月島へもんじゃ焼を食べに行ってふと思った。。。】

サクラ・ワークの事務所がある東京都中央区には、もんじゃ焼で有名な「月島もんじゃストリート(月島西仲通り商店街)」があります。全長500メートルの商店街に60軒以上のもんじゃ専門店が並び、情緒ある観光地になっています。月島は、高層マンションがそびえたつ現代の東京らしい風景と、裏道には下町情緒あふれる懐かしさを感じる木造家屋が密集して立ち並ぶ街並みがマッチングしたウォーターフロントで、夜景も美しくとても風情があります。そんな風景に惹かれ、月島に今日は街歩きがてらもんじゃ焼でも食べようかとぶらっと出かけました。

月島はもんじゃストリートの雰囲気から、江戸時代からあると思われるかもしれませんが、実は明治25年に、石川島と佃島の延長に埋め立てによって造られた人工島です。天保改正御江戸大絵図を見ると、江戸時代には月島がなかったことが明確です。佃島江戸時代の

東京は、埋め立てによって人工造成された湾岸地域、河川や海の堆積作用によって形成された泥・砂などが積み重なった低地、武蔵野台地を川が削ってできた谷底平野など、低地や地盤が緩い土地も多く、地震の影響が多大で液状化被害も起こりやすい地域があります。また、木造住宅が密集していて道が狭く非難に戸惑うかもしれないと思われる地区が多くみられます。いつ起こるかわからない地震に備え、地域の状況や建物状態を把握し、防災についての認識を高めて、地震対策に役立てる必要があります。

【建物倒壊危険度と火災危険度、総合危険度を認知する】

東京都では、2018年3月に「地震に関する地域危険度測定調査(第8回)」を公表しました。地震の揺れにより、「建物倒壊危険度」「火災危険度」「災害時活動困難度」を測定し、総合危険度を町丁ごとに1~5のランク(1が危険度が低く、5が高い)で評価しています。例として荒川区の表を載せておきました。地震危険度一覧 東京都都市整備局
東京都では、総合危険度が高い地域は、足立区南部から荒川区、葛飾区西部、墨田区北部、江東区北部のいわゆる荒川~隅田川沿いの地域。品川区南西部、大田区中央部、北区北部、豊島区北部、中野区、杉並区東部でも危険度が高い地域がみられ、多くの地域で地震被害が起こる可能性があります。
東京地震総合危険マップ

【木造住宅密集地域の防災化が課題】

地震が起こると、建物倒壊の他に、火災、避難困難が発生する危険性があります。
住生活基本計画(全国計画)では、2020年までに「地震時等に著しく危険な密集市街地の面積」約6,000haを概ね解消するという目標を定め、国土交通省は防災対策のために「地震時等に著しく危険な密集市街地について」(2012年)を報道発表しています。その中で、首都圏のみならず、中部、関西、四国、九州に至るまでの全国の197地区、5,745haが延焼危険性、避難困難性が高く、地震時等において最低限の安全性を確保することが困難である危険な密集市街地として改善を促しています。しかし、2018年度末時点で約4,000haが未解消で早急な改善を課題としている状況です。
 住宅密集地 国土交通省資料より

地震で危険とされる住宅密集地

・木造の老朽化した建物が多い。
・火災に弱い建物が多く隣の建物間の距離が狭く、道路、通路も狭いため火災が拡大する。
ということから、地震時に耐震基準、構造など現行の建築基準法に適合しない建築物等が倒壊し、避難通路を防ぎ、火災が拡大するという最悪のケースが予想されています。
 

【知っておきたい延焼限界距離】

地震時の火災で知っておくと良いのは、「延焼限界距離」です。延焼限界距離とは、連続延焼が起こらない最小限の隣棟間隔のことです。
 
内閣府より「延焼シミュレーションの具体例」の資料が情報提供されています。この資料は、裸木造、防火木造、準耐火造、耐火造の構造で、関東大震災クラスの地震火災を設定して風速12mでシュミレーションされています。
結果は、防火木造、2階建て(2階部分のセットバックなし)で、

30 分以内の消火活動>

防火木造で棟間隔を 12m程度確保すれば延焼はしない。

60 分を越えてからの消火活動>

風速 12m/s では、防火木造で棟間隔を 12m程度確保しても延焼してしまう。
ということです。
 
延焼限界距離は、火災発生から30分以内の消火活動で、防火木造以上の構造にし、隣棟間隔を12メートル以上とる必要があることになります。建物の構造の留意はもちろん、迅速な消防活動ができる道幅の確保、散水設備の整備、避難場所の確保も必要であることが把握できます。
 

【進まない密集住宅地の悩み】月島路地_コピー

国や自治体での都市レベルでの取り組みとしては、広幅員道路、大規模公園、不燃建築物の整備や共同建替が必須で、現在進められています。
 
しかし、地区レベルでの建て替えは、建築基準法上の接道の問題や容積率、建蔽率、斜線制限などの問題がありなかなか進まない状況があります。例えば、地権や建替えにより家が狭くなる、費用の不足、住民の高齢化による建替え意欲の問題等様々な問題が絡み合い、安全面が確保されていない状況を、国や自治体が解決の手を差し伸べることが必要になっています。

 
【準防火地域内で、建蔽率10%緩和に建築基準法改正】

2019625日、改正建築基準法が全面施行されました。その目玉として、建蔽率の緩和が施行されました。 

①建蔽率の緩和

「密集市街地等において、延焼防止性能の高い建築物への建替え等を促進」を目的として、準防火地域内で準耐火建築物を建てる場合に建蔽率10%緩和ができることになりました。それまでは、防火地域に建つ耐火建築物には、建蔽率を10%緩和する規定しかありませんでしたが、準防火地域に広げ、準耐火建築物に対しても緩和措置を適用することになりました。

 
②防火、準防火地域で、要件をクリアすれば木材のあらわし等の設計が可能

防火、準防火地域において外壁、窓の防火性能を向上させることで、内部の柱等に木材を使用できる。設計、デザインの幅も広がるようになりました。
 

全面道路側に壁面線指定を行った場合等の建蔽率緩和

特定行政庁が前面道路の境界線から後退した壁面線の指定をした場合等で、特定行政庁が安全上、防火上や衛生上支障がないと認めた場合は、建築物の建蔽率を緩和できるようになりました。
それによって避難通路の幅や消火活動の場所の確保ができる事になりました。
 建蔽率緩和1
建蔽率緩和2

【密集住宅地解消に推奨されるまちづくり誘導手法】

建築基準法の一律の基準を守ることだけでは、地域の状態に制限ができて建て替えが進まないことがあります。建築基準法第40条、第50条等では、地方公共団体が条例を定めることにより、建物の構造や敷地、接道問題や建蔽率緩和などに関する規定を追加できるようになっています。策定権限の多くは地方公共団体にあり、それをまちづくり誘導手法として密集市街地の解消に役立てています。
東京都中央区月島でも、道路に接していなくても建替えられるルールをつくり、地区特有の情緒や風景を残しながら、建替えが可能になっている地域があります。
参考:月島地区 地区計画の手引き
 
このようにまちづくり誘導手法についても知識を持ちながら、地震に強い街づくりのための新築・リフォームに取り組むことが必要です。
 

【街歩きが楽しい 月島でもんじゃ】

もんじゃ焼きのお店は、東京ならここかしこにありますが、街歩きを楽しみ、河のある風景を堪能するには、やはり月島もんじゃストリートにぶらりと行ってしまいます。
今回は、わらしべさんのもんじゃ焼きをいただきました。明太子もちチーズを堪能。チーズたっぷりでおいしいでした。


月島もんじゃわらしべ_コピー もんじゃ焼_コピー

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2019年08月17日 21:48

国、自治体が推奨するコンパクトシティの知識

田んぼアート行田

【散策して、町の取り組みを始めて知った】

行田市での仕事が、早めに終わったので行田をぶらり探索することにしました。
行田で有名な「古代蓮」と、2015年にギネス世界記録に認定された世界一大きい「田んぼアート」を見るために「古代蓮の里」に向かいました。
今回の田んぼアートは、ラグビーワールドカップ2019™日本大会を応援する注目のデザインで、
今年で12年目になる田んぼアートは、年々精巧で美しくなっています。東会場の田んぼでは、日本代表のユニフォームを着た姫野和樹選手、リーチマイケル選手、田中史朗選手が、りりしく素敵な作品に仕上がっていて感動しました。行田市マップ
 
行田市は、映画「のぼうの城」のモデルの「忍城址(おしじょうあと)」、ドラマ「陸王」の実在のモデルになった会社やロケ地でも有名な市です。
都心から電車で1時間と近く、見るべき観光地もあり、自然豊かな良い町ですが、街の中心部の商店はシャッターが降りて寂しい状態です。少子高齢化や人口流出による人口減少は、埼玉県で1位(2019年7月1日現在)になっており、休耕地や空き家も目立つ状態になっています。
この状況を打開すべく、田んぼアートの活動はもちろん、行田市都市計画マスタープラン、行田市移住・定住プロジェクト、農業を始めたい人の相談の受け付け、子育て支援など様々な取り組みが行われています。
 

【人口減少による消滅可能性都市の危機と地方創生】

全国に仕事で出張しまシャッター街すが、地方都市にいくと中心街の商店はほとんどシャッターが降りており、人通りもほとんどなく、高齢者を時々見かける地域が年々増えているように思います。反対に東京には、人が流入し、一極集中のため街には人が溢れ、ラッシュアワーの電車の混雑がひどくなるばかりです。
 
少子高齢化・人口流出による人口減少や休耕地・空き家の増加などの各地の問題は、社会問題として日本全国に広がっています。人口減少で各地方自治体は税収が見込めずサービスや上下水道などの更新等の機能を失うことによる自治体消滅。いわゆる「消滅可能性都市」になる事態を避けるべく、これらの問題解決が喫緊の課題となっています。
日本の市町村数は合計1,741(2018年10月)ですが、政府は2040年には全国896の市区町村が「消滅可能性都市」に該当すると示唆しています。またそのうち523市区町村は人口が1万人未満となり、消滅の可能性がさらに高くなります。
 
東京一極集中を是正し、地方の人口減少・流失を防ぎ、日本全体の活力を向上させる国家戦略として、2016年より「地方創生」が推進されています。

 
【空き家率13.6% 無秩序に膨張する街造りは終わる時代に】

2018年10月に総務省が発表した空き家率は、過去最高の13.6%(住宅・土地統計調査)で、空き家戸数は846万戸となった。そのうち約4割の347万戸は長期不在の住宅や取り壊し予定の住宅である。2033年には総住宅数の1/3が空き家になると予想されている。
 
人口の増加を見込んだ、郊外に無秩序に膨張させた街づくり、いわゆるスプロール化は終焉の時代にきています。かつては市街化調整区域の農地などを宅地にして家を建て、どんどん無秩序に街を拡充していく時代がありました。また、農地などの間に住宅が点在している状態をつくりだしました。
しかし、その団地もそこに住む人も高齢化し、車に乗れなくなると非常に不便な状態になっています。郊外には、住宅の価値や環境の魅力も下がり、売るに売れない家も存在しています。
おまけに、点在する住宅に上下水道、道路の公共投資をした場合、維持管理に多くの費用がかかり、自治体の財政負担が大きくなります。
 
しかし、未だに将来の予測もつかず、市街化調整区域に住宅販売を行い、安いからという理由で購入する人もいるのが実態です。
 

【市街化調整区域の住宅購入は注意が必要】

①市街化調整区域とは
市街化を抑制すべき区域。原則として開発行為や都市施設整備も行わない区域。建替え・増築・売却を極力抑える地域です。市街化調整区域
 
②市街化調整区域の問題点
・建替え・改築は自治に開発許可を取る必要がある。場合によっては、許可が取れない可能性がある自治体もある。
・建築制限がある。
・ローンが降りにくい。
・売却が難しい場合や、価値査定が難しい場合がある。
 
市街化調整区域の住宅建築は、市街化地域と異なり、新築だけでなく中古住宅を購入・リノベーション時も注意が必要です。
 

【市街化調整区域で基準強化する自治体も出現】

和歌山市は、2019年4月1日付で住宅の拡散を防止するため、市街化調整区域内の50戸連たんの既存集落区域の全域で分譲住宅等を認めていた基準を廃止しました。
埼玉県さいたま市や所沢市では市街化調整区域(都市計画法第34条12号)に住宅を建てることができません。
無秩序な住宅の拡散を防ぐために、市町村によっては市街化調整区域に住宅建築の許可を出していないが地域があります。そしてすべての自治体でなんだかの条件をクリアしないと開発や建築の許可が降りないようにしています。
このことでもわかるように、各自治体では「住宅地の拡散防止」が都市計画の課題の一つになっており、「コンパクトシティ」への取り組みがされています。
 

【国、自治体が推進するコンパクトシティ】

街が無秩序に拡散する中で人口減少や高齢化が進行し、空き家問題や都市のドーナツ化現象、さらには医療、交通、公共機能の弱体化を回避するために、住居・商業施設、医療施設、公共施設を中心市街部に集約させ、都市機能や居住地域をコンパクトにまとめる政策が推進されています。
「コンパクトシティ」にすることで、都市機能を維持し行政効率やインフラの維持管理更新の効率を高めることが可能になり、自治体消滅、消滅可能性都市から脱却する政策です。
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今や「コンパクトシティ」は、各自治体の都市計画のメインテーマとなっており、富山市、熊本市、柏市では成功しています。
地域によっては「コンパクトシティ」構想に問題点や課題点があり、なかなか進まないケースもありますが、その地域特性に合わせた計画で誘導をしています。

富山市コンパクトシティ熊本市コンパクトシティ

【コンパクトシティから発展したコンパクトシティ・プラス・ネットワーク】

街が集約化され、 住宅や商業施設、医療・福祉施設などの生活サービス施設がまとまって立地した時に必要なのは、交通機関です。住民が公共交通や徒歩などにより、 これらの施設に容易にアクセスできるまちづくりの考え方がコンパクトシティ・プラス・ネットワークです。
つまり、コンパクトなまちづくりと地域交通の再編との連携により、『コンパクトシティ・プラス・ネットワーク』のまちづくりを進めることが課題となっています。
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都市の再編ともいえるコンパクトシティ化や地方創生の動きの中で、住宅・リフォームもその方向性に合致した取り組みが必要になっています。集約される街の中の店舗・住宅等の既存ストックの活用は、街の雰囲気に適応した魅力的なデザインで、災害や火災に強いリノベーションも要求されることになります。
 
そういえば、今回訪問した行田市も街の活性化、コンパクトシティを都市計画マスタープランの政策にしています。
 

【行田は歴史の街、もっと知ってもらいたい町でした】

今回訪問した「古代蓮の里」の行田蓮(古代蓮)は女性の背丈ほどある高さで花も大きく見事です。しかし、訪れたのが午後からでしたので、花は閉じていましたが、それでもこぶしよりも大きくピンク色がとてもきれいでした。
 古代蓮 行田蓮 古代蓮の里_コピー
田んぼアートは、南会場は「令和」改元を祝したデザイン、東会場は「ラクビーワールドカップ」応援のデザインで、色彩の異なる複数の稲を人の手で植え付けて文字や形を精巧に造る技術に驚きました。
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忍城址も必見です。忍城は関東七名城の一つとされています。現在は、御三階櫓が城址に復元されており、資料館として公開されている櫓の上からは、行田市内が一望できました。
忍城は「浮き城」とも呼ばれ、豊臣秀吉の関東平定の戦いのとき、石田三成らによる水攻めで落とせなかったことで有名です。映画「のぼうの城」の舞台となっています。「浮き城のまち 行田」というキャッチフレーズは、忍城が由来です。御三階櫓は美しい櫓でした。
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最後に、日暮れ前にどうにか「さきたま古墳群」に行くことができました。公園内には前方後円墳8基、円墳1基があり、古墳を目の前で見るだけでなく、丸墓山古墳、稲荷山古墳には階段がついていて上ることができ、古代の人の気分が味わえるように思いました。丸墓山古墳の上からは忍城も見えて感激しました。ちなみに埼玉という名称はこの周辺から発祥したということで、驚きました。
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行田は歴史を語れる観光があり、誇れる歴史がある町であること。田んぼアートなどの町おこしの取り組みをしていることを初めて知りました。東京から近いので、もっとみんなに知ってもらいたい町だと思いました。

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2019年08月05日 20:10

補助金額1戸当たり上限200万円 2019年「次世代省エネ建材支援事業」 住みながら短工期で行う断熱改修に補助金

工務店社員

【高性能な断熱パネル、潜熱蓄熱建材の使用で短工期のリフォームに補助金!】

既存住宅の断熱改修に対する補助金として、経済産業省による省エネルギー投資促進に向けた支援補助金(住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業)として「次世代省エネ建材支援事業」の一次公募が5月13日より開始されました。

次世代省エネ建材[1]
          ※一般社団法人 環境共創イニシアチブ 事業概要パンフレット


「次世代省エネ建材支援事業」は、高性能な断熱パネル、潜熱蓄熱建材、調湿建材等の室内側から施工できる建材を用いて、住みながら短工期でできる断熱リフォームに対して補助金が付与されます。既存住宅の省エネ化と次世代省エネ建材の自律的な普及を図る補助事業です。
補助金対象の住宅は、戸建住宅及び集合住宅で、補助対象 となる申請者は個人の住宅所有者又は所有予定者、または賃貸住宅の所有者で個人・法人どちらでも申請が可能です。 この補助金のポイントは、家全体の断熱リフォームでなく、住宅の一部の改修でも補助金が申請できることです。
 

既存住宅の断熱リフォームは、一般消費者は、壁をはがして行うイメージが強く、長い工期で住みながら行うことはできないのではないかと非常にたいそうに感じるものです。そのため断熱リフォームに対して億劫になり、冬寒く夏熱い家でも我慢するケースが多くあります。断熱性が低い家で、問題を抱えておられるお住いの方には、住みながら短工期でできる断熱リフォームで補助金が出ることをお伝えすることはお客様にとって断熱リフォームの絶好のチャンスです。また家全体の断熱リフォームでなく、問題がある部屋、例えば寝室や洗面所などの一部の部屋の断熱リフォームでも補助金が出るため、お客様に断熱リフォームを勧めやすいのも特徴です。

 

【公募期間】

一次公募 : 2019年5月13日(月)~2019年6月28日(金)

二次公募 : 2019年8月上旬~2019年9月中旬 (予定)

 

【補助率、補助金の上限額・下限額、補助対象経費】

① 補助率   補助対象経費の1/2以内。
② 補助金の上限額  戸建住宅 : 1住戸当たり200万円
           集合住宅 : 1住戸毎に125万円
③ 補助金の下限額  戸建住宅、集合住宅 : 1住戸当たり20万円
④ 補助対象経費について
           補助対象経費の合計は1住戸当たり40万円以上であること
 

【補助対象となる製品】

■「必須製品」 次のいずれか
 ・断熱パネル
   施工性を向上するため断熱材と下地材等が一体となったパネルであること。

 ・潜熱蓄熱建材

但し、いずれも補助対象となる製品は、「対象製品の公募要領」で定めた要件を満たし、 SIIに登録されている未使用品となります。

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※一般社団法人 環境共創イニシアチブ 事業概要パンフレット
潜熱蓄熱建材はまだまだ認知度が低く、多くの消費者は潜熱蓄熱建材とは何なのか、どのような仕組みで省エネになるのか、使用して快適なのか、どこに施工するのかもわからない状態です。
しかし、住宅の省エネ推進が進行する中、パッシブな省エネ手法が注目され、再生可能エネルギーの太陽熱を効率的に利用し、またピークシフ トで室温を安定化できる潜熱蓄熱建材が注目されるようになってきています。この補助金を機会にして、潜熱蓄熱建材について消費者に伝えるときが来ているように感じます。
 

■「任意製品」 必須製品と併せて使用する場合に補助対象となる製品

 ・断熱材

   未使用品であること。グレードがD1の製品であること。

 ・窓・ガラス

   防火断熱窓も補助対象

 ・玄関ドア

 ・調湿建材

   但し、いずれも補助対象となる製品は、「対象製品の公募要領」で定めた要件を満たし、 SIIに登録されていること。

既存住宅の次世代省エネ建材によるリフォームの補助金の工事の例です。必須製品と任意製品を同時に導入すること、一部の改修工事でも良いことが把握できます。

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※一般社団法人 環境共創イニシアチブ 事業概要パンフレット
 
「次世代省エネ建材支援事業」の詳しい内容は、一般社団法人 環境共創イニシアチブのホームページに掲載されていますのでご覧ください。

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2019年07月30日 12:15

家電店のキッチンリフォームは家電販売をきっかけに空間提案へ

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熊本の家電専門店のサンエコライフグループさんのキッチンリフォーム研修を、Panasonic熊本ショウルームをお借りして行いました。

講義と実習を交えた体験型の研修で、動作について把握していただき、LDKの空間提案の方法を学んでいただきました。
 

【リフォーム提案は自分の気づきから】
 

地域密着型の家電販売店さんの場合は、家電販売を通じてお客様と密接なつながりを持っているため、お客様のお宅に訪問しやすいこと、お客様の家族構成やお家の事情までよく知っていることがメリットです。

エアコン、テレビ、冷蔵庫や家電調理器などの納品時に、家に上がることができ、家の状態も把握できるため、リフォームを受注できる機会に恵まれています。それでプロのようにリフォームを手掛けている家電店の方もおられます。

 

研修をしてみて気づいたのは、冷蔵庫や家電調理関係の商品を納品した時に、リフォーム提案に気づかないで機会損失をされている方も多いようです。家電販売や家電工事とリフォームを分けて考えてしまっている方もいるようです。

 

例えば冷蔵庫を搬入する時家電店キッチン点検_コピー_コピー

・段差があって大変だ

・出入り口の扉の開き方が搬入に障害になる

・ドアがきしんでいる、開きにくい、隙間があり上手く締まらない

・出入り口が狭い

・冷蔵庫置場はキッチン作業をしながらだと不便な位置だ

・冷蔵庫を置く床や壁が傷んでいる、汚れがひどいキッチン点検_コピー

などにまず自分が「気づく」ことが重要です。

 

「段差がありますけど、大丈夫ですか?」

「冷蔵庫この位置で使いやすいですか?」

ドライバーをいつも持っておいて、

「ドアちょっとぎーぎー鳴りますね。丁番のねじをちょっと閉めておきますね。」

ということや行動で、お客様とお家のことで会話が始まると、リフォームに繋がるきっかけになります。

 

家電販売店さんの場合には、他にも、キッチン全体の照明の暗さ、炊飯器の置き場所の使い勝手、エアコンの効き具合など、自分の得意分野の家電の話や点検から入ると、キッチンリフォームの押し売りではなく、自然にリフォームの話題に入り込めます。

 

まずは自分がお客様のお住まいの問題点に沢山「気づく」かが、リフォーム提案の第一歩です。

 

【キッチン設備単品ではなく、LDK全体の問題解決提案を!】

現在のキッチン設備は、格段に機能やデザインが良くなり、使い勝手やお掃除の容易さで魅力的な商品になりました。最新のキッチンに憧れ、キッチンリフォームをしたいと思う方が多くおられます。ついつい、キッチン設備の商品説明のみに集中しがちです。キッチンの使い勝手の改善は、キッチン設備を取替えることだけで解消されるわけではありません。

 リビングデザイン_コピー

実際にお客様は、毎日キッチン、ダイニング、リビングを動いて調理、配膳作業をされているため、いろいろと話をしていると動作空間としても、LDK全体に不便や問題を抱えていることがわかります。収納の問題もキッチン設備のみ変えても解決できない家電の収納や配置の問題、根菜類や米、ゴミ箱の収納など日常のこまごまとした問題点を抱えていることが多いのです。

 

調理・配膳など日常の動作がしやすいプラン、家電が使いやすく調理台を占領しない収納プラン、ダイニングやリビングと動作が安全に繋がる拡大提案の能力が必要です。

【キッチンリフォームは断熱・耐震の提案も必要】

一戸建て住宅のキッチンは、冬寒く、夏熱いこともあります。冬は勝手口から冷えて、足元にすきま風を感じ、快適にキッチンでの作業ができないもあります。

勝手口は断熱性が良くない単板ガラスやアルミの場合は、夏は熱が入り熱く、冬は熱が逃げてしまいますので、断熱性の良い勝手口にすることをお勧めします。窓も同じですので、二重サッシ、Low-E複層ガラスに変えて枠も樹脂サッシに変えるなどの提案が必要です。

しかしそれだけでは不十分なので、断熱材の改修をお勧めして冷暖房が効きやすく快適な部屋にリフォーム提案することがお客様の健康維持のために大切です。

 

LDKリフォームで、柱を抜いたり壁を取って間取り変更をすることがあります。耐震性が良いといわれる家でも、空間を広くしたり、筋交いの入った耐力壁をとることでバランスが崩れることがあります。

リフォームをするときに、家全体の間取りを見て、上下階の柱の位置があっていない、壁の配置が悪い、壁が少ない間取りなどバランスが良い家かどうかも見る必要があります。

19816月以前の旧耐震基準の家は特に注意が必要ですが、それ以降の家でもリフォームを繰り返し、バランスの悪い家を多く見かけます。

いつどこで地震が起こるかはわかりません。水廻りリフォームだけの時でも、耐震性についてアドバイスできるようにするために、勉強をしておくことでお客様から信頼を得ることができます。

 

【阿蘇くまもと空港はくまモンがかくれんぼしているらしい】

阿蘇くまもと空港にはいたるところに「空港内にくまモンが、かくれんぼ??見つけると、幸せになれる?!」ということです。

そのくまモンは、大きさはラグビーボールくらいで立体ではなく、平面ということなので、ぬいぐるみではないようです。

到着時には、その情報を知らず、帰りは搭乗時間ぎりぎりに空港に到着したので慌てていて見つけることができませんでした。そこで、搭乗ぎりぎりでしたが、平面ではない「立体くまモン」を見つけたので一応撮影しておきました。

次回は11月に熊本にいきますのでその時に、探して幸せになりたいと思います。
熊本空港 (2)_コピー 熊本空港ANA (1)_コピー 熊本空港 (1)_コピー

 家電販売店様のリフォーム研修は、サクラ・ワークSsapo(エスサポ)で行っております。

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2019年07月25日 22:00

家電店のバスリフォームは空間提案で受注アップ!

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神奈川県の家電店さんのバスリフォーム提案研修を、パナソニックの横浜ショウルームで行いました。
講義・実習・ショウルーム説明と体験で、動作空間の考え方や空間提案の方法を学んでいただきました。

【リフォームは「水廻り設備を売る」ことではなく、空間提案を行う】

高齢者リフォーム打合せリフォームは、テレビや洗濯機を売るのとは異なります。家電製品のように、水廻りのリフォームは商品説明をして、設備のみを設置して売ることではありません。確かに水廻り設備は、魅力的な商品開発がされており、10年さらに20年以上前の住宅設備に比べると各段に進化し使い勝手や機能がよくなっています。そのため商品を語るだけで水廻り設備が売れることがあります。
しかし商品だけを説明して、トイレが売れた、キッチンが売れたと喜ぶケースはかなり惜しく、顧客満足にほど遠いことが多いためです。というのは、商品説明のみで水廻り商品だけ売っている場合は、設備の取り替え工事のみ、つまり単品工事で終わっているケースが多くみられます。例えば床・クロス・照明器具、換気扇手すり、ドア等の提案がなく、部屋全体の快適性や安全性、利便性、デザイン性を考慮した空間提案によるリフォームができていないのです。
それは顧客満足を得られないばかりでなく、自分自身が商売の機会損失になっており、とても損をしていることになります。

【「コト提案」は、水廻り設備を使った時の不満解消、体験、経験や得られる価値提案だけではない】

コト提案がブームですが、それが水廻り設備の商品説明に陥っているケースが多々あります。リフォームのコト提案と言いながら、商品で得られる問題解決等の価値だけを話していたら、やはり取替工事、単品販売から脱することはできません。リフォームは、設備や様々な材料を活用して空間(部屋)全体の不満解消や問題解決工事を行う事ですので、部屋全体について「コト提案」ができる力が必要です。
 

【今回のバスリフォーム研修は、洗面所から浴室全体の動作空間の確認、危険回避を考える】

156413686288401既存住宅の浴室の問題点を聞いてみると、ヒートショックやカビの発生、掃除の手間、段差や滑る危険性等の意見がでます。その解消法はシステムバスへの取替リフォームという結論になり、システムバスの各部の商品説明となるパターンに陥るケースがあります。地域の家電店さんのお客様は高齢者層が多いため、今回は、入浴前の脱衣動作にも広げ、洗面所からの浴室に至るまでの動作空間として、高齢者の動作に対して空間全体を見直すこと、危険性の解消をテーマとしました。 洗面所のドアを開けるところから始まり、脱衣、身体を洗う、入浴に至るまでどのような動作を行うのか、既存のまたぎの高い浴槽での動作も実習することで、入浴は様々な身体の動きからなり、非常にハードルが高い動作が連続することに気づきます。
特に浴槽のまたぎ高さは、どれくらいの寸法であればまたぐハードルが低くなるかや楽にまたぐ方法も実習で知ることができます。
そこで、洗面室のものの散らかり、洗濯機の配置の悪さなどによる動線の障害について、浴室での様々な危険性や大変さの原因について知ると、お客様に対して多角的に提案ができるようになります。

【システムバスの寸法を自覚し、最適な浴室を提案する】

156413685423501ショウルームで確認するのが常道ですが、床にテープを貼って1坪サイズと0.75坪サイズの浴室をつくり、洗い場、浴槽の寸法を確認してもらいました。システムバスの寸法について覚えることにもつながります。
できあがった時に意外だという声が上がったのですが、ショウルームで見る寸法に比べ、平面に落とすと小さいと感じることでした。
風呂椅子を置き洗う動作、浴槽に入り脚が伸ばせるかなどを確かめまた時、0.75坪ではゆったりできないので、浴室を広げる提案をお客様にし、工事ができるかも確かめるという声が出ました。
 

【浴槽の大きさや仕様、入り方も提案すると顧客満足】

システムバスの大きさによって浴槽の寸法が変わります。足を伸ばしてゆったりできる浴槽は良いですが、足が浴槽の端につかない場合は寝てしまった場合などは危険性が伴います。また男女や身長によって適切な浴槽長さが異なります。
その場合の浴槽の大きさや仕様、入り方も学んでおくと、さらに営業トークの幅が広がります。

【基本を学んだうえで、既存の浴室の不満解消提案を行う】

家電店発表ヒートショック予防法、カビの発生の防止、掃除の手間の解消、バリアフリーについては、システムバスにすると解決するという答えでは、お客様との会話も進まず、コト提案にはなりません。
その不の原因は何か、なぜそれが起こるのか、どうすれば解消できるかを、きちんと説明し提案できる事でお客様の信頼を勝ち取ることができます。
またそれによって提案力、受注力アップの基礎ができます。
もし現在商品説明だけで営業して受注が伸びない場合は、空間全体(部屋全体)の問題点を見つけ、ヒアリングを行うことから始めてください。そして安全性の確保のために動作確認して、問題となるところの解消方法を多角的に提案し、取替工事、単品工事から脱することが大事です。

家電販売店様のリフォーム研修は、サクラ・ワークSsapo(エスサポ)で行っております。

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2019年07月23日 20:13

次世代住宅ポイント制度の「新築」は住宅性能評価基準のマスターが必要

パナソニック柏ショウルーム
パナソニック柏ショウルームで柏営業所主催の、住宅会社様、工務店様、リフォーム会社様向きの次世代住宅ポイント制度の研修講師を務めました。トレンドな国策で、消費税増税後の新築・リフォームの受注のチャンスとなるということで、住宅・リフォーム業者にとっては非常に興味がある内容のため、沢山の方が熱心に受講されました。


【新築は最大35万ポイント、リフォームは最大30万ポイント】

「次世代住宅ポイント制度」は、2019年10月の消費税10%に引上げ後の 反動に伴う住宅取得支援策及びリフォーム支援策で、消費税率10%が適用される一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能等を満たす住宅や、家事負担の軽減になる設備を設置した住宅の新築やリフォームをされた方に対して、その内容に定められたポイントを発行するものです。新築は最大35万円相当、リフォームは最大30万円相当のポイントが発行されます。さらに若者・子育て世帯がリフォームを行う場合や、安心R住宅を購入しリフォームを行う場などはポイントの特例があり60万円相当までポイント数が発行されます。その発行ポイントは、さまざまな商品と交換できます。
 
次世代住宅ポイント新築のポイント 
※ 国土交通省 次世代住宅ポイント制度の概要
【ポイントの交換は商品のみ】

発行されたポイントは、交換対象商品として事務局に登録されたものとの交換のみで、商品券や即時交換と言われる追加的に行われる工事費に充当することはできません。
ポイント交換対象商品は 
   ●省エネ・環境配慮に優れた商品
   ●健康関連商品
   ●子育て関連商品
   ●防災関連商品
   ●家事負担軽減に資する商品 
   ●地域振興に資する商品
です。具体的には、次世代住宅ポイント制度のホームページに掲載されており、2020年3月31日(予定)まで随時追加されることになっています。

【次世代住宅ポイントの新築のポイントの条件】
 
太陽光の町_コピー新築は、注文住宅、新築分譲住宅の購入、完成済みで購入する新築分譲住宅が対象です。
それらの住宅は、次の3つのうちいずれかに該当する住宅性能を持つことによってポイントが発行されます。
 1.一定の性能を有する住宅
   ・高い性能を有する住宅
   ・一定の性能を有する住宅
 2.耐震性を有しない住宅の建替え
 3.家事負担軽減に資する設備を設置した住宅
 
1の「高い性能を有する住宅」は、 認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅、ZEZであり、35万ポイント/戸を獲得できます。
 
【一定の性能を有する住宅は、既定の住宅性能評価基準の等級に適合させることが必要】

上記の1の「一定の性能を有する住宅」は、住宅1戸あたり30万ポイントが発行されます。
「一定の性能を有する住宅」は、① ~④のいずれかに適合する住宅です。
① エコ住宅 (断熱等級4又は一次エネ等級4を満たす住宅)
② 長持ち住宅 (劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2等を満たす住宅)
③ 耐震住宅 (耐震等級2を満たす住宅又 は免震建築物)
④ バリアフリー住宅(高齢者等配慮対策等級3を満たす住宅)
これらの住宅は、国が推進する標準(最低ライン)の住宅です。次世代住宅ポイントは、良質な住宅ストックの形成に資する住宅投資に対してポイントを付与するとしていることでもわかるように、一定の性能の基準に適合することを求めています。その基準が住宅性能評価であり、住宅性能評価基準を理解して、クリアできる家を建てることを推進していることが読み取れます。
 
次世代住宅ポイント概要
            ※国土交通省 次世代住宅ポイント制度の概要
のエコ住宅(断熱等級4又は一次エネ等級4を満たす住宅)とは
いわゆる省エネルギー住宅であエコ 家り、住宅性能表示制度の温熱環境・エネルギー消費量に関することに基づく、断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4以上の性能をもつ住宅です。
 a.断熱等性能等級4のみクリアする場合でもポイントは発行されます。
 b.断熱等性能等級が等級4を満たない場合でも、一次エネルギー消費量等級が等級4以上の場合でもポイントは発行されます。
現実的に考えると、bのケースのように断熱性能が低いと機械設備による省エネ性能を高くする、つまり省エネになる設備を多く導入する必要があります。また、断熱性の数値を高めないと一次エネルギー消費量が計算上等級4に満たないケースが生じます。住宅づくりでは断熱は基本事項ですので、顧客満足のためにも断熱性や設備効率をよくし省エネ性、快適性を追求することが重要です。
 
の長持ち住宅(劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2等を満たす住宅)とは

耐久性の良い住宅という意味です。
ちなみに、国土交通省国土技術政策総合研究所は住まい手向けに「長持ち住宅ガイドライン」長持ち住宅の選び方」の情報を提供していますので参考にしてください。
長持ち住宅は、住宅性能表示制度の「劣化対策等級」と「維持管理対策」の両方の基準を満した住宅づくりが必要です。
次世代住宅ポイントの標準ポイントの住宅に指定されている劣化対策等級3とは、「構造躯体が3世代(75年~90年)もつ程度。」とされています。これは長期優良住宅の求めるレベルで、基礎高さ、外壁軸組・地面・土台の防腐防蟻処理、床下換気、小屋裏換気、浴室等の防水などの構造躯体の劣化に対する等級3の仕様が定められています。
長持ち住宅の維持管理対策等級は等級2で、
・専用配管は、壁、柱、床、はり及び基礎の立ち上り部分を貫通する場合を除き、コンクリート内に埋め込まない。
・地中に埋設された管の上には、原則としてコンクリートを打設しない。
・専用の排水管(継手及びヘッダーを含む。)の内面は、清掃に支障を及ぼさないように平滑とし、かつ、当該排水管を清掃に支障を及ぼすようなたわみ、抜けその他変形が生じないように設置。
などの規定であり、長期優良住宅の維持管理対策等級3のように掃除口や配管点検口などは要求されていません。
しかし、今後の住宅の維持管理のことを考えると当然掃除口や配管点検口はつけておきたいものです。
エコ住宅家族
耐震住宅(耐震等級2を満たす住宅又 は免震建築物)と
耐震等級2は「極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行令第88条第3項に定めるも の)の 1.25倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度」、つまり建築基準法の1.25倍の等級です。
熊本地震の時に倒壊した住宅に耐震等級が等級2のケースがありました。そこで直下率の問題が浮上したことにより、免震が注目されるようになりました。工事費用との関係もありますので、住宅プランとの兼ね合いで検討が必要です。

バリアフリー住宅(高齢者等配慮対策等級3を満たす住宅)とは
高齢者等配慮対策等級3で、段差、手すり、通路及び出入口幅、階段などについて詳細な規定があります。
住宅金融支援機構のホームページの資料をご覧ください。
標準ポイントとしては、①~④のいずれかとなっていますが、現実にはすべてクリアする住宅を建築することが必要です。

次世代住宅ポイント対象住宅証明書が初登場】

研修でも、今回の新築の次世代住宅ポイント制度の申請はハードルが高いという声がありました。というのは、この申請には住宅の性能を証明する確認書類の提出が必要です。「高い性能を有する住宅」は当然ですが、「一定の性能を有する住宅」すべてにおいて、各性能基準によって、登録住宅性能評価機関や適合証明機関等が発行した確認書類が提出書類として規定されています。そこで性能を有することの証明をもらうためには、性能評価基準をマスターして図面や仕様を作成することが必要です。

【一定の性能を有する住宅(30万ポイント/戸)+オプションポイントで何ポイントが申請できるのか】
お客様と打合せ
オプションポイントは、家事負担軽減のための住宅設備や耐震性のない住宅の建替に対して、それぞれ定めたポイント数が発行されます。
30万ポイントを獲得できる住宅を建築するお客様に対して、申請の上限は35万ポイントであることを説明します。
新築時の一般的な提案では、掃除しやすいトイレ(18000ポイント)、浴室乾燥機(18000ポイント)、掃除しやすいいレンジフード(9000ポイント)は一般的にプラン時に設備導入するため、45000ポイントが獲得できます。そこで、新築住宅で、標準ポイント30万ポイントを獲得すると、ポイント合計は34万5000ポイントとなります。
また、30万ポイントを獲得できる新築を建築し、宅配ボックスやビルトイン食洗器を提案する場合、ビルトイン食洗器(18000ポイント)、宅配ボックス(10000ポイント)、それに加えてビルトイン自動調理対応コンロ(12000ポイント)掃除やすいフード(9000ポイント)を申請すると34万9000ポイントとなります。
建築コストとハードルは高くなりますが、優良ポイントが申請できる住宅であると最高35万ポイント/戸が申請できるという顧客に対する提案ができます。
詳細については、国土交通省のホームページに掲載されている次世代省エネポイント制度の内容についてご覧ください

国策研修は、サクラ・ワークSsapo(エスサポ)で行っております。
お問い合わせはこちら
2019年07月11日 20:30

ホームページを開設いたしました。

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2019年7月、サクラ・ワーク株式会社のSsapo(エスサポ)ホームページを開設いたしました。
新築・リフォームの営業力アップにつながる話を、いろいろな角度で情報発信いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

2019年07月07日 09:00

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