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住宅・リフォームの仕事に役立つ知識と情報

2020年元旦、おめでとうございます

迎春

新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。
皆様には、新春を晴々しい気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。

旧年中は格別なご高配を賜り、まことに有難く厚く御礼申し上げます。
本年も、より一層のご厚情を賜りますようお願い申し上げます。


2020年 年明けの増上寺初詣
 

芝増上寺初詣


年が明けると同時に、港区芝の大本山増上寺に参拝に行きました。
年明け同時に参拝する人が多く、三門から人が並んでいる状態でした。

増上寺の年明けの夜の初詣の楽しみは、大殿の後ろに見える東京タワーのライトアップです。
午前1時になると消灯していた東京タワーの約6万灯のライトがオレンジに灯り、非常に美しい都会の夜景を見ることができます。
美しく荘厳な増上寺大殿とタワーがきらびやかに光る感動が、元旦年明けの夜の増上寺の初詣の醍醐味です。
 

2020年増上寺初詣


浄土宗の七大本山の一つの増上寺は、もともとは明徳4年(1393)に、江戸貝塚(千代田区紀尾井町)に浄土宗正統根本念仏道場として創建されました。徳川家康が江戸入りしてから、現在の港区芝に移転しました。江戸時代に徳川家の菩提寺になり、6人の将軍とその正室、側室、子女が埋葬されています。
大殿(本堂)には、ご本尊の阿弥陀如来様のお姿が金色に輝いてとても美しく荘厳です。勝運守り

境内の安国殿には、徳川
家康が深く信仰した黒本尊(秘仏の阿弥陀如来)が祀られており、勝運アップ・災厄除けのパワースポットとしても有名です。

大殿と安国殿をお参りして、黒本尊のパワーをいただけると言われる「勝運守」を購入しました。
「勝運」とは、「物事がすべて勝れた方向に運ぶ」という意味だそうです。

2020年、物事がすべて勝れた方向に運べるように、「勝運」を招き入れられるように、努めたいと思います。
 

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2020年01月01日 04:00

2019年大晦日、本年の感謝を心を込めて!

深川不動尊2019年12月31日

来年も良い年になりますようにお祈り申し上げます

大晦日となり、いよいよ2019年ものころわずかな時間となり、2020年のカウントダウンとなりました。
皆様には、本年一年に渡り、大変お世話になりましてありがとうございました。年末お礼

今年も多くの人にお会いし、一緒に沢山の気づきや学びがありました。
国の新しい住政策、次世代住宅ポイント、消費税アップ後の新築・リフォームの営業の仕方、ZEHや省エネ住宅への取り組み。
リフォームの営業力をアップさせる仕組みづくりのコンサルや研修も多くの店舗、会社と取り組みました。
長期優良住宅化リフォームの補助金申請では、現場に一緒に何度も通い写真を撮ったり、現場確認をしたりなど、いい思い出が沢山ありました。
耐震診断を行い現場での施工確認、インスペクションも共に行い、リノベーションに取り組み、既存住宅への取り組みに対しても情熱をもつことができました。
今年も東京から遠く離れた九州や東北、北海道の方々、そしてその他の全国の方々にも研修やコンサルを通じてお会いできたことも、とても幸せでした。
皆様とどうしたら貴社が良くなるのかを互いに意見を出し合い、時にはぶつかるときもありましたが、それも今年の楽しい想い出となりました。
2020年は、皆様がさらに発展し、良い年になることを心からお祈りしております。

来る年も変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

深川不動堂、今年1年のお礼参り

2019年大晦日、深川不動堂にお参りし、不動明王様とお願い不動様に今年1年、無事に過ごせたお礼のお参りをいたしました。
江東区門前仲町駅の近く富岡1丁目にある深川不動堂は千葉県成田市にある成田山新勝寺の東京別院です。
朱色の山門には、謹賀新年の幕が付けられており、参道の人情深川ご利益通りは、お礼参りに参拝される方でにぎわっていました。

不動明王は、
厄難除災の仏様と言われています。不動明王様のお顔は、憤怒相(ふんぬそう)と言う、怒りを表した怖い表情をしておられ、それは仏道を伝えるための必死の形相で、道を踏み外そうとしている者に向けられているそうです。間違いをした時に私たちを叱り、左手の羂索でもって縛って間違った道に進まないよう引き留めてくれ、力ずくでも救ってくれる仏様と言われています。
願望成就・勝負必勝・立身出世・商売繁盛・怨敵調伏・病魔退散のご利益があります。

今年の最後の締めくくりとして天然貴石入りの「幸福みくじ」を引いてみました。
大吉がで、石は紅色のカーネリアンが入っていました。
カーネリアン(紅玉髄)は勝運招来・意欲向上の意味がある石です。
今年は良い年でした。
来年も良いことがありそうで、心晴れやかに正月を迎えられそうです。
深川不動 大吉 深川不動 大吉みくじ
皆様、本年もありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します。

サクラ・ワーク株式会社
サクラ・ワークSsapo(エスサポ
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2019年12月31日 18:00

「森林と生活に関する世論調査」 50歳代以下は木造在来工法離れの傾向 

試林の森公園1
東京都品川区と目黒区をまたぐ位置にある「林試の森公園」は、12月初旬は紅葉を見ながらの散策が楽しめます。
公園にはもみじやハゼが点在していて紅葉が美しく、ラクシショウの小枝は黄色から茶色に変わり、それがふわふわと舞い落ちて風情があります。
遠くに出かけなくても街中の森林で、ウォーキングや紅葉を楽しめて最高のリフレッシュになります。

 

興味深く、気づきがある「森林と生活に関する世論調査」資料

木を扱う住宅会社やリフォーム会社にとって、「森林と生活に関する世論調査」には参考になるデータが多く記載されています。

「森林と生活に関する世論調査」は、内閣府が、森林と生活に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とすることを目的に実施しています。

内閣府は、11月29日に令和元年の「森林と生活に関する世論調査」の調査結果を公表しました。
  ■・調査期間:令和元年9月26日 ~10月6日
   ・調査対象:全国の日本国籍を有する者18歳以上の3,000人
    有効回収数は1,546 人(回収率 51.5%)

「森林と生活に関する世論調査」の中に、森林との関わり方の意向で「あなたは、日常の生活の中で、森林でどのようなことを行いたいですか。」という質問がありました。
「心身の健康づくりのため森林内の散策やウォーキング」という回答が一番多く約60%であり、森林散策が好きな私は大変共感を覚えました。
 
 
    ※情報源:「
森林と生活に関する世論調査」 内閣府 世論調査報告書 令和元年10月調査 
       
https://survey.gov-online.go.jp/r01/r01-sinrin/index.html 
   機関:林野庁内閣府
 

家をつくる者と購入者では、木造在来工法住宅に対する意識が違う

工務店 
住宅・リフォームに従事する者にとって、「木」はなくてはならないものです。木は家の構造材としてだけではなく、内装にも活用することが多く、「木」や「木材」に対する知識や技術は欠かせないものです。また家づくりをする者は、木に対する愛情が大きい人が多いのも特徴です。
しかし「森林と生活に関する世論調査」では、家の購買者の木造住宅、特に木造在来工法に対する意識が変化していることを知ることができます。
 
「あなたが仮に、今後、住宅を建てたり買ったりする場合、どのような住宅を選びたいと思いますか」という「木造住宅か非木造住宅かの意向」の質問の回答で、総数からの各工法の選択の割合は
  ・木造在来工法:47.6%   
  ・在来工法以外の木造(ツーバイフォーなど):26.0%
  ・非木造住宅:23.1%
木造住宅を建てたい人は73.6%で、非木造よりも多い状況です。但し2011年の調査からは、7.1%下がっています。
 

50歳代以下は木造在来工法から、若い世代は木造住宅から離れる傾向に

 しかし年齢別にみた場合、木造在来工法を選ぶ人は、70歳以上は69.5%、60~69歳は52.1%、50~59歳は36.1%、30~49歳では35%代と減少し、18~29歳では約2割の人しか木造在来工法を選択しない結果になっています。つまり、若年層~50歳代の木造在来工法の選択離れが目立ちます。
また、18~29歳、50~59歳までの人は、在来工法を選んだ人より、
在来工法以外の木造を選択した人が多くなっています。
そして、非常に興味深いのは、木造住宅(在来木造とそれ以外の木造)は70歳以上で79%であるにも関わらず、18~29歳は59.1%であり、若い世代は木造住宅離れの傾向を示しています。

業界視点で考えると、熟練した職人の減少、分譲住宅会社やハウスメーカー等の規格化による品質を安定化、工期の短縮のためにも木造在来工法よりもツーバイフォーやプレハブ工法の住宅を建てる傾向にあります。このような業界の状況も、消費者の木造在来工法離れに影響を与えています。
その他、最近は耐震性・耐久性や防災面に優れた家を求める消費者が多く、そこで非木造住宅の選択をする人も増えています。また、通勤面や生活の利便性から都心のマンションを選ぶ人も多くなっていることから、木造住宅離れの傾向もあるようです。


「森林と生活に関する世論調査」の資料で、森林で「心身の健康づくりのため森林内の散策やウォーキング」を行いたい方が多いという調査結果がありましたが、自然としての樹木と、家に使う素材・材料としての木に対する意識は異なるようです。
木造住宅は、現在は施工力や技術力が向上し、耐震性や省エネルギー性にも優れ、施工の仕方やメンテナンスによって長寿命化できます。また将来のライフスタイルの変化に対応した間取り変更も比較的容易で、リフォームしながら長く安心して住むことが可能です。おまけに
木は調湿・吸音・快適性にも優れた健康素材であり、木の家に住むことで心が癒されます。
住宅業界にいる者として、このような木の家の良さや家の中に木の素材を活用することで得られる効果を、もっと消費者にわかりやすくアピールする必要性を感じています。
 

新築着工数から見る木造率は56.9%(2018年度)

 
国土交通省の「木造住宅建設戸数の推移」の資料から、2018年度の木造率は56.9%です。現在は、新築着工数の半数以上が木造住宅ということになります。
しかし、「森林と生活に関する世論調査」の結果からみると、若い世代に木造住宅離れが見られるため、将来的には木造率も減る状態になるという予想も立てることができます。
 木造率
      ※参照:国土交通省 住宅着着工統計及び木造住宅建設戸数の推移
 
しかし戸建て既存住宅は、2008年の総務省調査によると、93%が木造住宅です。そこで、戸建て既存住宅のリフォーム、リノベーションは、木造住宅、特に在来工法の家に対する工事が多く、木の構造材や内装材などを使って、木の家に木の素材の良さを活かしたプランや施工を行うことが、今後も主流となると言えます。木を上手く活用して長寿命で快適性、安全性、デザイン性に優れたリフォームやリノベーションができる実力をさらに磨きたいものです。国の政策としてあげている中古住宅流通市場の活性化にも伴い、木を上手に使った住まいをアピールすることで、若者層の中古住宅購入の意欲を掻き立てることも可能ではないでしょうか。
また、リフォーム提案にプラスして、インスペクションを前提とする長期優良住宅化リフォームや、安心R住宅制度の補助金申請を提案したり、それに伴う減税策も活用できると「安心」「安全」「お得」というキーワードでさらに顧客満足に繋げる要素にもなるので、国策活用も積極的に行いたいものです。

 

森の散策 林試の森公園の紅葉

林試の森公園は、1905年に林野庁の林業試験所とされていましたが、1978年に試験所がつくば市に移転し、その跡地は1989年に都立公園となりました。東西に700m、南北に250mと細長い公園内に、様々な樹木があり、巨木や珍しい樹木の観察もできる公園です。
今日は、もみじが赤く色づき紅葉がとてもきれいでした。
日本一の商店街がある武蔵小山駅から約12分で公園に到着しますので、商店街の探索と公園での散策を兼ねて楽しむこともできます。

 
武蔵小山駅 武蔵小山商店街 試林の森公園 試林の森公園紅葉2 試林の森公園紅葉 

長期優良住宅化リフォーム、安心R住宅の研修及びコンサル、または補助金申請・インスペクション・耐震診断・設計のご相談はサクラ・ワークまたはSsapoにお問い合わせください。
 
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2019年12月05日 19:00

既存住宅流通問題の打開策 安心R住宅・インスペクションの重要性

木場公園銀杏1
東京都江東区の木場公園は、春は桜の名所ですが、11月のこの季節は桜の葉の紅葉や銀杏が色づき、美しい風景を楽しませてくれます。銀杏の葉が黄金色にきらめくのを見ていると、周囲のビジネス街や道路を往来する車の喧騒と遮断された別世界にいる気分になります。
 

既存住宅の流通量は毎年増加している

 
一般社団法人不動産流通経営協会「既存住宅流通量の地域別推計について」平成30年12月の資料によると、東京都23区の中で、江東区・墨田区の両区は既存住宅の流通量が一番多い区で、2016年の既存住宅流通量は11.0千件でした。新築件数は11.29千件で、既存流通量とほぼ変わらない数値です。
東京都23区は2016年から既存住宅流通量が連続して増加し、2017年には新築住宅着工数(117616戸)に比べて、既存住宅流通量(120339戸)の方が増加しています。
全国では、2017年の推計値は、既存住宅流通量は597千件(対前年比18千件増)となり2011年から連続して増加し、2008年の流通量(439千件)と比較すると、約1.36倍になっています。
 

問題は戸建住宅の中古流通が進まないこと

 
首都圏に関してですが、国土交通省によると、2018年に中古マンションの購入成約数が新築マンションの購入成約数を上回り逆転しました。しかし既存戸建住宅に関しては、緩やかに増えていますが、まだまだ中古住宅の流通が進んでいない状況で、戸建住宅の空き家(846万戸「総務省 平成30年(2018年)土地・住宅統計調査」)が増加する傾向にあります。
 
既存戸建住宅の問題点は、バリアフリー、省エネ性、現行基準の耐震性を満たさない住宅性能が悪い住宅が多いからです。もちろん、住宅の性能に対する基準が変化したこともありますが、日本の住宅は長く使う、将来流通させるという意識が少なく建て替えを前提にした住宅であったことが、この現状を生む原因になっています。
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安心R住宅制度、長期優良住宅化リフォーム、インスペクション、耐震診断が今後の鍵!

【安心R住宅】

これまで中古住宅の購入について
① 不安:耐震性や雨漏り、設備の老朽化 が不安
② 汚い:内外装が汚い、設備が古い
③ わからない:選ぶための情報が少なく判断できない
という「不安」「汚い」「わからない」といった中古住宅のマイナスイメージを払拭し、住宅購入を検討している人が安心して中古住宅を購入できる制度を国土交通省が平成29年12月1日施行しました、それが「安心R住宅制度」です。
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★「安心R住宅」とは
・新耐震基準等に適合して既存住宅売買瑕疵保険の検査基準に適合
・リフォームを実施するかリフォーム提案を付ける(建築後、極めて短いものは不要)
・建築時の適法性や認定、維持保全、保険・保証、省エネルギーなどの情報を開示
する既存住宅に対して、国が定めた一定の基準を満たすと事業者団体が標章(ロゴマーク)を付与するしくみです。
 
安心R住宅の場合、インスペクションや耐震診断、そのうえで現行基準の性能を満たすリフォームの知識と技術が必要す。
 

【長期優良住宅化リフォームと安心R住宅の重要な関係】

 
「安心R住宅」は、長期優良住宅化リフォームの補助金申請を行うことができます。その場合は、「事前採択タイプ(安心R住宅)」に応募し、基準に適合したリフォームをすると、以下の補助額をお客様がもらうことができます。
 ・補助率:1/3(「3.補助対象費用」の1/3について国が支援)
 ・上限:評価基準型の場合:100万円/戸  
     認定長期優良住宅型の場合:200万円/戸
     高度省エネルギー型の場合:250万円/戸
※ただし、三世代同居対応改修工事を実施する場合は、これらとは別に50万円/戸を上限に加算
 
中古住宅流通は、住宅・リフォーム業者にとってリフォームを受注するチャンスになります。
そのためにもインスペクション、耐震診断、安心R住宅、長期優良住宅化リフォームの知識はもちろん実務が必要です。
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サクラ・ワークは、研修・コンサルと、補助金申請、各種申請、インスペクション・耐震診断などの支援とトータルコンサルをしております。
お気軽にお問い合わせください。
 

木場散歩

 木場は、江戸時代は木材を切り出や、貯木する場所でした。時代劇にも深川木場として登場する古い町です。しかし現在は、オフィスビルが建ち並び大型商業施設が駅前にあり、マンションも多く建てられています。そして一歩道を入れば、下町情緒あふれる一戸建ても密集している地域、汐浜運河、大横川、木場公園などの自然もあり、様々な風景を満喫できる散歩道です。
 
木場は、江戸時代から昭和まで材木業関連の倉庫があり、貯木場でしたが、昭和44年にそれらが新木場に移転し、その跡地が都立の「木場公園」となりました。24.2h緑豊かな公園で、紅葉を楽しみました。
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木場駅から2~3分歩くと、洲﨑神社の赤い鳥居が見えます。洲﨑神社は洲﨑弁天ともいい、歌川広重の浮世絵や「鬼平犯科帳」でも登場しており、美しい神社です。
元禄時代には時の将軍徳川綱吉の母の守本尊であり、また水にまつわる神仏でもある弁才天が祀られていました。また海難除けの社として地元漁民の信仰を集めた神社です。境内には、銀杏の大木があり、とてもきれいに色づいていました。
東京の紅葉を堪能しました。
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住宅・リフォームの研修・コンサル、補助金申請、インスペクション、耐震診断のご依頼はお気軽にお問い合わせください。
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2019年11月22日 09:00

改正建築基準法施行 準防火地域の建蔽率緩和

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【月島へもんじゃ焼を食べに行ってふと思った。。。】

サクラ・ワークの事務所がある東京都中央区には、もんじゃ焼で有名な「月島もんじゃストリート(月島西仲通り商店街)」があります。全長500メートルの商店街に60軒以上のもんじゃ専門店が並び、情緒ある観光地になっています。月島は、高層マンションがそびえたつ現代の東京らしい風景と、裏道には下町情緒あふれる懐かしさを感じる木造家屋が密集して立ち並ぶ街並みがマッチングしたウォーターフロントで、夜景も美しくとても風情があります。そんな風景に惹かれ、月島に今日は街歩きがてらもんじゃ焼でも食べようかとぶらっと出かけました。

月島はもんじゃストリートの雰囲気から、江戸時代からあると思われるかもしれませんが、実は明治25年に、石川島と佃島の延長に埋め立てによって造られた人工島です。天保改正御江戸大絵図を見ると、江戸時代には月島がなかったことが明確です。佃島江戸時代の

東京は、埋め立てによって人工造成された湾岸地域、河川や海の堆積作用によって形成された泥・砂などが積み重なった低地、武蔵野台地を川が削ってできた谷底平野など、低地や地盤が緩い土地も多く、地震の影響が多大で液状化被害も起こりやすい地域があります。また、木造住宅が密集していて道が狭く非難に戸惑うかもしれないと思われる地区が多くみられます。いつ起こるかわからない地震に備え、地域の状況や建物状態を把握し、防災についての認識を高めて、地震対策に役立てる必要があります。

【建物倒壊危険度と火災危険度、総合危険度を認知する】

東京都では、2018年3月に「地震に関する地域危険度測定調査(第8回)」を公表しました。地震の揺れにより、「建物倒壊危険度」「火災危険度」「災害時活動困難度」を測定し、総合危険度を町丁ごとに1~5のランク(1が危険度が低く、5が高い)で評価しています。例として荒川区の表を載せておきました。地震危険度一覧 東京都都市整備局
東京都では、総合危険度が高い地域は、足立区南部から荒川区、葛飾区西部、墨田区北部、江東区北部のいわゆる荒川~隅田川沿いの地域。品川区南西部、大田区中央部、北区北部、豊島区北部、中野区、杉並区東部でも危険度が高い地域がみられ、多くの地域で地震被害が起こる可能性があります。
東京地震総合危険マップ

【木造住宅密集地域の防災化が課題】

地震が起こると、建物倒壊の他に、火災、避難困難が発生する危険性があります。
住生活基本計画(全国計画)では、2020年までに「地震時等に著しく危険な密集市街地の面積」約6,000haを概ね解消するという目標を定め、国土交通省は防災対策のために「地震時等に著しく危険な密集市街地について」(2012年)を報道発表しています。その中で、首都圏のみならず、中部、関西、四国、九州に至るまでの全国の197地区、5,745haが延焼危険性、避難困難性が高く、地震時等において最低限の安全性を確保することが困難である危険な密集市街地として改善を促しています。しかし、2018年度末時点で約4,000haが未解消で早急な改善を課題としている状況です。
 住宅密集地 国土交通省資料より

地震で危険とされる住宅密集地

・木造の老朽化した建物が多い。
・火災に弱い建物が多く隣の建物間の距離が狭く、道路、通路も狭いため火災が拡大する。
ということから、地震時に耐震基準、構造など現行の建築基準法に適合しない建築物等が倒壊し、避難通路を防ぎ、火災が拡大するという最悪のケースが予想されています。
 

【知っておきたい延焼限界距離】

地震時の火災で知っておくと良いのは、「延焼限界距離」です。延焼限界距離とは、連続延焼が起こらない最小限の隣棟間隔のことです。
 
内閣府より「延焼シミュレーションの具体例」の資料が情報提供されています。この資料は、裸木造、防火木造、準耐火造、耐火造の構造で、関東大震災クラスの地震火災を設定して風速12mでシュミレーションされています。
結果は、防火木造、2階建て(2階部分のセットバックなし)で、

30 分以内の消火活動>

防火木造で棟間隔を 12m程度確保すれば延焼はしない。

60 分を越えてからの消火活動>

風速 12m/s では、防火木造で棟間隔を 12m程度確保しても延焼してしまう。
ということです。
 
延焼限界距離は、火災発生から30分以内の消火活動で、防火木造以上の構造にし、隣棟間隔を12メートル以上とる必要があることになります。建物の構造の留意はもちろん、迅速な消防活動ができる道幅の確保、散水設備の整備、避難場所の確保も必要であることが把握できます。
 

【進まない密集住宅地の悩み】月島路地_コピー

国や自治体での都市レベルでの取り組みとしては、広幅員道路、大規模公園、不燃建築物の整備や共同建替が必須で、現在進められています。
 
しかし、地区レベルでの建て替えは、建築基準法上の接道の問題や容積率、建蔽率、斜線制限などの問題がありなかなか進まない状況があります。例えば、地権や建替えにより家が狭くなる、費用の不足、住民の高齢化による建替え意欲の問題等様々な問題が絡み合い、安全面が確保されていない状況を、国や自治体が解決の手を差し伸べることが必要になっています。

 
【準防火地域内で、建蔽率10%緩和に建築基準法改正】

2019625日、改正建築基準法が全面施行されました。その目玉として、建蔽率の緩和が施行されました。 

①建蔽率の緩和

「密集市街地等において、延焼防止性能の高い建築物への建替え等を促進」を目的として、準防火地域内で準耐火建築物を建てる場合に建蔽率10%緩和ができることになりました。それまでは、防火地域に建つ耐火建築物には、建蔽率を10%緩和する規定しかありませんでしたが、準防火地域に広げ、準耐火建築物に対しても緩和措置を適用することになりました。

 
②防火、準防火地域で、要件をクリアすれば木材のあらわし等の設計が可能

防火、準防火地域において外壁、窓の防火性能を向上させることで、内部の柱等に木材を使用できる。設計、デザインの幅も広がるようになりました。
 

全面道路側に壁面線指定を行った場合等の建蔽率緩和

特定行政庁が前面道路の境界線から後退した壁面線の指定をした場合等で、特定行政庁が安全上、防火上や衛生上支障がないと認めた場合は、建築物の建蔽率を緩和できるようになりました。
それによって避難通路の幅や消火活動の場所の確保ができる事になりました。
 建蔽率緩和1
建蔽率緩和2

【密集住宅地解消に推奨されるまちづくり誘導手法】

建築基準法の一律の基準を守ることだけでは、地域の状態に制限ができて建て替えが進まないことがあります。建築基準法第40条、第50条等では、地方公共団体が条例を定めることにより、建物の構造や敷地、接道問題や建蔽率緩和などに関する規定を追加できるようになっています。策定権限の多くは地方公共団体にあり、それをまちづくり誘導手法として密集市街地の解消に役立てています。
東京都中央区月島でも、道路に接していなくても建替えられるルールをつくり、地区特有の情緒や風景を残しながら、建替えが可能になっている地域があります。
参考:月島地区 地区計画の手引き
 
このようにまちづくり誘導手法についても知識を持ちながら、地震に強い街づくりのための新築・リフォームに取り組むことが必要です。
 

【街歩きが楽しい 月島でもんじゃ】

もんじゃ焼きのお店は、東京ならここかしこにありますが、街歩きを楽しみ、河のある風景を堪能するには、やはり月島もんじゃストリートにぶらりと行ってしまいます。
今回は、わらしべさんのもんじゃ焼きをいただきました。明太子もちチーズを堪能。チーズたっぷりでおいしいでした。


月島もんじゃわらしべ_コピー もんじゃ焼_コピー

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2019年08月17日 21:48

国、自治体が推奨するコンパクトシティの知識

田んぼアート行田

【散策して、町の取り組みを始めて知った】

行田市での仕事が、早めに終わったので行田をぶらり探索することにしました。
行田で有名な「古代蓮」と、2015年にギネス世界記録に認定された世界一大きい「田んぼアート」を見るために「古代蓮の里」に向かいました。
今回の田んぼアートは、ラグビーワールドカップ2019™日本大会を応援する注目のデザインで、
今年で12年目になる田んぼアートは、年々精巧で美しくなっています。東会場の田んぼでは、日本代表のユニフォームを着た姫野和樹選手、リーチマイケル選手、田中史朗選手が、りりしく素敵な作品に仕上がっていて感動しました。行田市マップ
 
行田市は、映画「のぼうの城」のモデルの「忍城址(おしじょうあと)」、ドラマ「陸王」の実在のモデルになった会社やロケ地でも有名な市です。
都心から電車で1時間と近く、見るべき観光地もあり、自然豊かな良い町ですが、街の中心部の商店はシャッターが降りて寂しい状態です。少子高齢化や人口流出による人口減少は、埼玉県で1位(2019年7月1日現在)になっており、休耕地や空き家も目立つ状態になっています。
この状況を打開すべく、田んぼアートの活動はもちろん、行田市都市計画マスタープラン、行田市移住・定住プロジェクト、農業を始めたい人の相談の受け付け、子育て支援など様々な取り組みが行われています。
 

【人口減少による消滅可能性都市の危機と地方創生】

全国に仕事で出張しまシャッター街すが、地方都市にいくと中心街の商店はほとんどシャッターが降りており、人通りもほとんどなく、高齢者を時々見かける地域が年々増えているように思います。反対に東京には、人が流入し、一極集中のため街には人が溢れ、ラッシュアワーの電車の混雑がひどくなるばかりです。
 
少子高齢化・人口流出による人口減少や休耕地・空き家の増加などの各地の問題は、社会問題として日本全国に広がっています。人口減少で各地方自治体は税収が見込めずサービスや上下水道などの更新等の機能を失うことによる自治体消滅。いわゆる「消滅可能性都市」になる事態を避けるべく、これらの問題解決が喫緊の課題となっています。
日本の市町村数は合計1,741(2018年10月)ですが、政府は2040年には全国896の市区町村が「消滅可能性都市」に該当すると示唆しています。またそのうち523市区町村は人口が1万人未満となり、消滅の可能性がさらに高くなります。
 
東京一極集中を是正し、地方の人口減少・流失を防ぎ、日本全体の活力を向上させる国家戦略として、2016年より「地方創生」が推進されています。

 
【空き家率13.6% 無秩序に膨張する街造りは終わる時代に】

2018年10月に総務省が発表した空き家率は、過去最高の13.6%(住宅・土地統計調査)で、空き家戸数は846万戸となった。そのうち約4割の347万戸は長期不在の住宅や取り壊し予定の住宅である。2033年には総住宅数の1/3が空き家になると予想されている。
 
人口の増加を見込んだ、郊外に無秩序に膨張させた街づくり、いわゆるスプロール化は終焉の時代にきています。かつては市街化調整区域の農地などを宅地にして家を建て、どんどん無秩序に街を拡充していく時代がありました。また、農地などの間に住宅が点在している状態をつくりだしました。
しかし、その団地もそこに住む人も高齢化し、車に乗れなくなると非常に不便な状態になっています。郊外には、住宅の価値や環境の魅力も下がり、売るに売れない家も存在しています。
おまけに、点在する住宅に上下水道、道路の公共投資をした場合、維持管理に多くの費用がかかり、自治体の財政負担が大きくなります。
 
しかし、未だに将来の予測もつかず、市街化調整区域に住宅販売を行い、安いからという理由で購入する人もいるのが実態です。
 

【市街化調整区域の住宅購入は注意が必要】

①市街化調整区域とは
市街化を抑制すべき区域。原則として開発行為や都市施設整備も行わない区域。建替え・増築・売却を極力抑える地域です。市街化調整区域
 
②市街化調整区域の問題点
・建替え・改築は自治に開発許可を取る必要がある。場合によっては、許可が取れない可能性がある自治体もある。
・建築制限がある。
・ローンが降りにくい。
・売却が難しい場合や、価値査定が難しい場合がある。
 
市街化調整区域の住宅建築は、市街化地域と異なり、新築だけでなく中古住宅を購入・リノベーション時も注意が必要です。
 

【市街化調整区域で基準強化する自治体も出現】

和歌山市は、2019年4月1日付で住宅の拡散を防止するため、市街化調整区域内の50戸連たんの既存集落区域の全域で分譲住宅等を認めていた基準を廃止しました。
埼玉県さいたま市や所沢市では市街化調整区域(都市計画法第34条12号)に住宅を建てることができません。
無秩序な住宅の拡散を防ぐために、市町村によっては市街化調整区域に住宅建築の許可を出していないが地域があります。そしてすべての自治体でなんだかの条件をクリアしないと開発や建築の許可が降りないようにしています。
このことでもわかるように、各自治体では「住宅地の拡散防止」が都市計画の課題の一つになっており、「コンパクトシティ」への取り組みがされています。
 

【国、自治体が推進するコンパクトシティ】

街が無秩序に拡散する中で人口減少や高齢化が進行し、空き家問題や都市のドーナツ化現象、さらには医療、交通、公共機能の弱体化を回避するために、住居・商業施設、医療施設、公共施設を中心市街部に集約させ、都市機能や居住地域をコンパクトにまとめる政策が推進されています。
「コンパクトシティ」にすることで、都市機能を維持し行政効率やインフラの維持管理更新の効率を高めることが可能になり、自治体消滅、消滅可能性都市から脱却する政策です。
 コンパクトシティイメージ_コピー
今や「コンパクトシティ」は、各自治体の都市計画のメインテーマとなっており、富山市、熊本市、柏市では成功しています。
地域によっては「コンパクトシティ」構想に問題点や課題点があり、なかなか進まないケースもありますが、その地域特性に合わせた計画で誘導をしています。

富山市コンパクトシティ熊本市コンパクトシティ

【コンパクトシティから発展したコンパクトシティ・プラス・ネットワーク】

街が集約化され、 住宅や商業施設、医療・福祉施設などの生活サービス施設がまとまって立地した時に必要なのは、交通機関です。住民が公共交通や徒歩などにより、 これらの施設に容易にアクセスできるまちづくりの考え方がコンパクトシティ・プラス・ネットワークです。
つまり、コンパクトなまちづくりと地域交通の再編との連携により、『コンパクトシティ・プラス・ネットワーク』のまちづくりを進めることが課題となっています。
コンパクトプラスネットワーク 
都市の再編ともいえるコンパクトシティ化や地方創生の動きの中で、住宅・リフォームもその方向性に合致した取り組みが必要になっています。集約される街の中の店舗・住宅等の既存ストックの活用は、街の雰囲気に適応した魅力的なデザインで、災害や火災に強いリノベーションも要求されることになります。
 
そういえば、今回訪問した行田市も街の活性化、コンパクトシティを都市計画マスタープランの政策にしています。
 

【行田は歴史の街、もっと知ってもらいたい町でした】

今回訪問した「古代蓮の里」の行田蓮(古代蓮)は女性の背丈ほどある高さで花も大きく見事です。しかし、訪れたのが午後からでしたので、花は閉じていましたが、それでもこぶしよりも大きくピンク色がとてもきれいでした。
 古代蓮 行田蓮 古代蓮の里_コピー
田んぼアートは、南会場は「令和」改元を祝したデザイン、東会場は「ラクビーワールドカップ」応援のデザインで、色彩の異なる複数の稲を人の手で植え付けて文字や形を精巧に造る技術に驚きました。
 田んぼアート令和_コピー 田んぼアート_コピー
忍城址も必見です。忍城は関東七名城の一つとされています。現在は、御三階櫓が城址に復元されており、資料館として公開されている櫓の上からは、行田市内が一望できました。
忍城は「浮き城」とも呼ばれ、豊臣秀吉の関東平定の戦いのとき、石田三成らによる水攻めで落とせなかったことで有名です。映画「のぼうの城」の舞台となっています。「浮き城のまち 行田」というキャッチフレーズは、忍城が由来です。御三階櫓は美しい櫓でした。
 忍城_コピー
最後に、日暮れ前にどうにか「さきたま古墳群」に行くことができました。公園内には前方後円墳8基、円墳1基があり、古墳を目の前で見るだけでなく、丸墓山古墳、稲荷山古墳には階段がついていて上ることができ、古代の人の気分が味わえるように思いました。丸墓山古墳の上からは忍城も見えて感激しました。ちなみに埼玉という名称はこの周辺から発祥したということで、驚きました。
 さきたま古墳1_コピー さきたま古墳2_コピー さきたま古墳3_コピー
行田は歴史を語れる観光があり、誇れる歴史がある町であること。田んぼアートなどの町おこしの取り組みをしていることを初めて知りました。東京から近いので、もっとみんなに知ってもらいたい町だと思いました。

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2019年08月05日 20:10

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