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「森林と生活に関する世論調査」 50歳代以下は木造在来工法離れの傾向 

試林の森公園1
東京都品川区と目黒区をまたぐ位置にある「林試の森公園」は、12月初旬は紅葉を見ながらの散策が楽しめます。
公園にはもみじやハゼが点在していて紅葉が美しく、ラクシショウの小枝は黄色から茶色に変わり、それがふわふわと舞い落ちて風情があります。
遠くに出かけなくても街中の森林で、ウォーキングや紅葉を楽しめて最高のリフレッシュになります。

 

興味深く、気づきがある「森林と生活に関する世論調査」資料

木を扱う住宅会社やリフォーム会社にとって、「森林と生活に関する世論調査」には参考になるデータが多く記載されています。

「森林と生活に関する世論調査」は、内閣府が、森林と生活に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とすることを目的に実施しています。

内閣府は、11月29日に令和元年の「森林と生活に関する世論調査」の調査結果を公表しました。
  ■・調査期間:令和元年9月26日 ~10月6日
   ・調査対象:全国の日本国籍を有する者18歳以上の3,000人
    有効回収数は1,546 人(回収率 51.5%)

「森林と生活に関する世論調査」の中に、森林との関わり方の意向で「あなたは、日常の生活の中で、森林でどのようなことを行いたいですか。」という質問がありました。
「心身の健康づくりのため森林内の散策やウォーキング」という回答が一番多く約60%であり、森林散策が好きな私は大変共感を覚えました。
 
 
    ※情報源:「
森林と生活に関する世論調査」 内閣府 世論調査報告書 令和元年10月調査 
       
https://survey.gov-online.go.jp/r01/r01-sinrin/index.html 
   機関:林野庁内閣府
 

家をつくる者と購入者では、木造在来工法住宅に対する意識が違う

工務店 
住宅・リフォームに従事する者にとって、「木」はなくてはならないものです。木は家の構造材としてだけではなく、内装にも活用することが多く、「木」や「木材」に対する知識や技術は欠かせないものです。また家づくりをする者は、木に対する愛情が大きい人が多いのも特徴です。
しかし「森林と生活に関する世論調査」では、家の購買者の木造住宅、特に木造在来工法に対する意識が変化していることを知ることができます。
 
「あなたが仮に、今後、住宅を建てたり買ったりする場合、どのような住宅を選びたいと思いますか」という「木造住宅か非木造住宅かの意向」の質問の回答で、総数からの各工法の選択の割合は
  ・木造在来工法:47.6%   
  ・在来工法以外の木造(ツーバイフォーなど):26.0%
  ・非木造住宅:23.1%
木造住宅を建てたい人は73.6%で、非木造よりも多い状況です。但し2011年の調査からは、7.1%下がっています。
 

50歳代以下は木造在来工法から、若い世代は木造住宅から離れる傾向に

 しかし年齢別にみた場合、木造在来工法を選ぶ人は、70歳以上は69.5%、60~69歳は52.1%、50~59歳は36.1%、30~49歳では35%代と減少し、18~29歳では約2割の人しか木造在来工法を選択しない結果になっています。つまり、若年層~50歳代の木造在来工法の選択離れが目立ちます。
また、18~29歳、50~59歳までの人は、在来工法を選んだ人より、
在来工法以外の木造を選択した人が多くなっています。
そして、非常に興味深いのは、木造住宅(在来木造とそれ以外の木造)は70歳以上で79%であるにも関わらず、18~29歳は59.1%であり、若い世代は木造住宅離れの傾向を示しています。

業界視点で考えると、熟練した職人の減少、分譲住宅会社やハウスメーカー等の規格化による品質を安定化、工期の短縮のためにも木造在来工法よりもツーバイフォーやプレハブ工法の住宅を建てる傾向にあります。このような業界の状況も、消費者の木造在来工法離れに影響を与えています。
その他、最近は耐震性・耐久性や防災面に優れた家を求める消費者が多く、そこで非木造住宅の選択をする人も増えています。また、通勤面や生活の利便性から都心のマンションを選ぶ人も多くなっていることから、木造住宅離れの傾向もあるようです。


「森林と生活に関する世論調査」の資料で、森林で「心身の健康づくりのため森林内の散策やウォーキング」を行いたい方が多いという調査結果がありましたが、自然としての樹木と、家に使う素材・材料としての木に対する意識は異なるようです。
木造住宅は、現在は施工力や技術力が向上し、耐震性や省エネルギー性にも優れ、施工の仕方やメンテナンスによって長寿命化できます。また将来のライフスタイルの変化に対応した間取り変更も比較的容易で、リフォームしながら長く安心して住むことが可能です。おまけに
木は調湿・吸音・快適性にも優れた健康素材であり、木の家に住むことで心が癒されます。
住宅業界にいる者として、このような木の家の良さや家の中に木の素材を活用することで得られる効果を、もっと消費者にわかりやすくアピールする必要性を感じています。
 

新築着工数から見る木造率は56.9%(2018年度)

 
国土交通省の「木造住宅建設戸数の推移」の資料から、2018年度の木造率は56.9%です。現在は、新築着工数の半数以上が木造住宅ということになります。
しかし、「森林と生活に関する世論調査」の結果からみると、若い世代に木造住宅離れが見られるため、将来的には木造率も減る状態になるという予想も立てることができます。
 木造率
      ※参照:国土交通省 住宅着着工統計及び木造住宅建設戸数の推移
 
しかし戸建て既存住宅は、2008年の総務省調査によると、93%が木造住宅です。そこで、戸建て既存住宅のリフォーム、リノベーションは、木造住宅、特に在来工法の家に対する工事が多く、木の構造材や内装材などを使って、木の家に木の素材の良さを活かしたプランや施工を行うことが、今後も主流となると言えます。木を上手く活用して長寿命で快適性、安全性、デザイン性に優れたリフォームやリノベーションができる実力をさらに磨きたいものです。国の政策としてあげている中古住宅流通市場の活性化にも伴い、木を上手に使った住まいをアピールすることで、若者層の中古住宅購入の意欲を掻き立てることも可能ではないでしょうか。
また、リフォーム提案にプラスして、インスペクションを前提とする長期優良住宅化リフォームや、安心R住宅制度の補助金申請を提案したり、それに伴う減税策も活用できると「安心」「安全」「お得」というキーワードでさらに顧客満足に繋げる要素にもなるので、国策活用も積極的に行いたいものです。

 

森の散策 林試の森公園の紅葉

林試の森公園は、1905年に林野庁の林業試験所とされていましたが、1978年に試験所がつくば市に移転し、その跡地は1989年に都立公園となりました。東西に700m、南北に250mと細長い公園内に、様々な樹木があり、巨木や珍しい樹木の観察もできる公園です。
今日は、もみじが赤く色づき紅葉がとてもきれいでした。
日本一の商店街がある武蔵小山駅から約12分で公園に到着しますので、商店街の探索と公園での散策を兼ねて楽しむこともできます。

 
武蔵小山駅 武蔵小山商店街 試林の森公園 試林の森公園紅葉2 試林の森公園紅葉 

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2019年12月05日 19:00

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