セールストークが下手でもリフォームトップ営業に
住宅リフォーム営業はセールストークの勉強が本質か?
住宅リフォーム研修で営業の人たちからよく聞くのは、売れるセールストークがわからないということである。リフォームがばっちり受注できるトークのコツを教えてもらい、成績を伸ばしたいという。そして、セールストークが上手にできると営業成績が伸びると信じている人も多くいる。
確かに営業に悩んでいると、リフォームを受注できるトークのコツを教えてもらいたい気持ちは十分に理解できる。1回の研修で一夜漬けの勉強では十分マスターができるかは疑問であるが、1回であっても、お客様にこんな話をすればよいという学ぶべきポイントは多々あると思う。しかし、セールストークを学ぶことだけで、営業成績が良くなるほど簡単なものではない。
セールストークが下手でもリフォーム営業トップになるケースも
セールストークの勉強は重要ではあるが、長年研修に携わり多くの営業の方を見ていると、必ずしもセールストークが上手い者がトップセールスになっていない。セールストークが上手い者が成績上位にいることもあるが、じょう舌でなく、ロールプレイングも上手くなく、質問しても回答がなく冴えない者が、営業成績TOPで表彰されているケースも多く見ている。
その人達を見て感じることは、トークのコツでお客様と話しているのではなく、リフォームとは何かをよく理解しており、お客様の住宅の状況やお客様の問題を把握したうえで、ポイントを良く押さえて話をしている。
リフォームの提案営業の意味を間違ってる場合もある
リフォームは、キッチン、システムバスなどの水廻り設備の住宅設備を中心として受注するケースが多い。しかし水廻り設備の商品説明をするだけの物売りでは本来のリフォームは受注できない。そこで、お客様の住まいや暮らしの問題解決を行う「コト売り・コト提案」により、リフォームを受注するというタイプの営業トークが主流になっている。
しかし、現在の水廻り設備はメーカーの製品開発の努力により、お客様の問題解決ができる製品仕様になっている。そこで結局は「コト売り」と言いながら、お客様の不満を聞きながら、実際には商品説明をしているというケースが多いのに気づく。たぶん、リフォーム提案営業の意味を間違って学んでしまっているのである。
実際には、本当のリフォームは、商品説明を最初からしなくても、また一生懸命に住宅設備の提案セールスをしなくても受注できるものである。
単品取替工事の受注から脱出できないのはなぜ?
営業は、お客様の不満や問題をしっかりヒアリングすることから始まる。しかしリフォームは建築分野であるので、ヒアリングとセールストークだけでは受注できない。
じょう舌な営業担当者であっても、施工がわからないから工事の者に振る、現調を間違える、商材や製品の説明ができないからメーカーに振る、リフォームの内容説明を間違える、プランや設計ができない、法規はわからないということでは、お客様から信用されないので、営業は成り立たない。
今まで多くの営業の方々を見ているが、うわべの営業手法やトークのコツだけの学びでは、単品取替工事の受注から大型リフォームになかなか発展しないのも事実である。
優れたリフォーム営業に成長するために
じょう舌なセールストークができなくても、お客様に寄り添い、お客様の家に向き合うための住宅リフォームの本質を学び、それを現場で実践することで、売れる営業として成長した人達をたくさん見てきている。
結論として、リフォームの営業は、ヒアリングの技術は重要であり、そのコツやポイントは十分に学ぶ必要がある。
その上で、住宅のリフォームは、お客様の住宅の状況を観察して話をするポイントを学び、実際にはお客様の問題を解決するには、どのようなプランで、どのような商材や材料を使ってどういう方法や施工で、具体的に解決できるかを勉強すると良い。そのうえで、お客様にわかりやすく整理して話をする練習をすると、トークの才能がなくても優れたリフォーム営業に必ず成長するのである。
リフォーム営業は、コツだけの営業手法、セールストークに溺れることなかれ。