今のままで地域家電店の将来性はあるのか?
マスカットも家電も、日本ブランドの競争力低下への憂い
シャインンマスカット4房をいただいた。糖度が高く甘くて一足先に秋の味覚を楽しんだ。
シャインマスカットというと日本ブランドの高級くだものというイメージであるが、農林水産省によると2007年より中国に苗が流出し、特に2016年より海外に無断流失している。現在では年100億円以上の損失が生じているとの試算を示している。中国の他、韓国でも栽培されているが、中国では日本の30倍以上の広大な農地の5.3万㎡で大量に栽培されている。そのため価格は、日本の3分の1くらいであるらしい。
2021年4月に改正苗法が施行され、国内で開発されたブランド果実などの種や苗の海外流出を防止することになったが、もうすでにこの状況のため、高級シャインンマスカットも値崩れすることになるだろう。
かつでは世界一と言われ、日本の優秀なブランドであった家電製品やアニメと同じ道をたどるのではないかという想いが脳裏に浮かび、メイドインジャパンの優位性の低下やや競争力のもろさをまた知ることになった。
地域の家電販売店リフォームは将来性は?
家電と言えば、コロナ禍で家電の売れ行きは2020年に巣ごもり需要やテレワークで需要が伸び、2021年は落ち込んだが2022年の今年は復調すると予測されている。
地域の家電店でもリフォームをする動きはコロナ前からあるが、リフォームを本格的に取り組む店と、家電の売り上げを補うくらいに取り組む店、家電一本でリフォームはしない店に分かれている。
今まで多くの地域家電店のリフォーム研修も行い、やれるお店もあるが、食べていけるくらいになるのは難しい店も見てきた。
家電だけでは将来が見えないとリフォームに取り組もうとする家電店も多いが、体制的に難しい店も多くある。
住宅側の考えでは、リフォームは設備を売る商品販売ではなく、提案、プラン、工事、アフターメンテナンスなどを伴う一連の改修工事である。
しかし、家電では売り上げに限界があると考え、安易にリフォームに取り組むのであるが、工事をする者がいない、工事業者が見つからない、プランができないという壁にぶつかる。
お客様に設備を売る勉強をすればどうにかなるという簡単な仕事ではないことにも気づくようだ。
リフォームの体制ができていないことからの問題点
次のことは全ての家電店ではなく、リフォーム工事を責任もって行っている店舗もあることはお断りしておく。
多くの店は地域に根付いているため、設備取換的なお客様を探すことはできる。その後は、メーカーの販売店に商品の仕入れと共に、お客様への営業・提案、プラン、工事手配と工事監理を依頼し、街の工務店が工事をしている例も多い。
お客様へのリフォーム価格は当然高くなるが、地域に根付いている家電店のため、契約・受注は成立することも多くある。
家電店は本質が商品を販売する店であるので、そういうやり方であっても利益を多くではないが得ることができ、家族でまたは小規模店として食べていけるのであれば問題はないのかもしれない。しかしそれはお店の立場からだけのことである。
丸投げ形態のリフォームはすべきではなく体制づくりは必要
リフォームにはいろいろな形態があるが、丸投げのリフォームはけして良いとは思わない。
そしてその形態が永遠に続き、将来的にお店が成り立って行くとも思えない。利益面でも、価格競争面でも、お得意様以外の新規のお客様が増えのるかは疑問である。
またお客様の立場になれば、それが得策の方法とは思えないことも気づいて欲しい。
リフォーム業界の問題は多々ある。設備替え、小規模取替リフォームは誰でも簡単にできる、こんな風にすれば儲かると口当たりの良い話を吹聴する風潮もある。
お客様のためにも、自分の店のためにも、リフォームができる体制がつくれ、責任を持ってリフォームを行える地域家電店が少しでも増えること、競争力がある店舗が増えることを望むばかりである。