トゲのある胡瓜とリフォーム営業マンの話
新鮮なきゅうりにはトゲがある
夢の島区民農園で採れたきゅうりを頂いた。採れたてのきゅうりは、みずみずしく美味しい。
採れたてのきゅうりはトゲが鋭く手で触ると痛いくらいで、それが新鮮なきゅうりの証拠とされている。きゅうりは成熟するとトゲは丸くなる。
きゅうりのトゲは、輸送などで鮮度が落ちたり熟したりするとイボとなる。きゅうりのイボは、私たちが良く食べる白イボ系と、漬物に良くされている黒イボ系のものがある。
白イボ系のイボには細菌が潜んだり繁殖すると言われているので、朝採れの新鮮なきゅうりを丁寧に水洗いした。イボをとり生で食する贅沢は、夏ならの醍醐味である。
優秀なリフォーム営業マンが社内評判がトゲって?
40半ば過ぎのリフォーム営業マンの独身のBさんは、頭が良く成績優秀である。背も高く見た目も良くお客様に好かれていて、よい顧客を持っており常に先の受注の見込みも立っていて理想的な営業マンである。
しかし、社内ではトゲがある、癖が強い、口が悪いと敬遠されている。確かにBさんを社内で見ていると、その傾向があり、なぜお客様に好かれるのか、成績が良いのか理解しづらい面がある。研修時も脚を組み、よそ見をし、話を聞いている様子はないし、当ててもまともな答えは全く返ってこない。他の講師は、Bさんに馬鹿にされているとこぼしている状態である。確かにやりにくい受講生である。
非常に優秀だが部下を育てることができない
ある時気づいたのであるが、Bさんは、陰で非常な努力をしており、建築や設備の勉強を独学でし、現場でも食いつくようにわからない所を聞いて勉強しているのである。
ただ、社内に戻るとトゲが出てしまい、「どうしてみんなは自分と同じようにできないのか」「努力しないのか」という態度が出てしまう。新人を教えることもせず、一人で行動するタイプなのである。
お客様に対しては、気遣いができ徹底的に問題解決型の提案をしている。非常にお客様想いの優れた営業マンなのである。
いわゆるすごく出来る人。しかし人を育てることができず、部下はもてず、一匹オオカミ型営業マンで、いまだに平社員なのである。
重要なのは、将来性のあるリフォーム営業をどう育てるか
その会社で将来の幹部候補の研修をすることになり、参加者の人選が行われた。Bさんは当然入っていなかった。
Bさんの顔を見た時に、選ばれていないのが寂しいという表情が見とれ、その顔にはトゲはなかった。
その会社の社長曰く、「Bは変われないのだから仕方がないのだ、営業をとってくれさえすればいい、営業をとっただけの手当は十分出している。ただそのまま働いてくれればよい。」と。。。
Bさんは、リフォーム営業として優秀だが、会社の中ではやりがいはあるのであろうかと思った。
営業マンとして特出したトゲがあっても良いのだが、そのために社内では誰からも声がかからず、孤独な戦いをしているBさんの寂しさを見たように感じた。
リフォーム会社においても、入社した時からの育て方、教育の仕方が重要であると感じる。
Bさんは、長年その会社にいてなぜそうなってしまったのか。
トゲはいつしか成熟し丸くなることもあるが、なぜトゲが鋭いまま成長してしまったのか。
もしかしてトゲがあるからまだまだ新鮮でやり直しがきくのではないか。。。とか、思い巡った。
会社はその社長の考え方、教育の仕方で将来性が決まってしまうことが大きい。社員の成長や生きがいや将来性も考えて、社員が入社した時から、会社の成長戦略も考えて最初からじっくり育てることが重要である。
トゲをとったきゅうりを食べながら、その会社の社長やBさんとも改めて社員教育について話しあってみようと思った。